部品 2018 1 1

 私は、2017年10月22日に、
「火砲 2017 10 22」ということを書きました。
 多くの人には、この文章で、
何が言いたかったのか、わかりにくかったかもしれません。
 これは、日本のことを書きつつ、
外国の軍事力を揶揄したものです。
 要するに、数だけ集めても、
部品の品質が悪ければ、戦力にならないと言いたかったのです。
 軍事力というと、戦闘機や戦車、
あるいはミサイルなどの派手なものに目を奪われがちですが、
本当に重要なのは、部品の品質です。
そして、その部品を安定的に供給できるかが重要です。
 軍事力とは、工業力と表裏一体のものです。
工業力がない国は、軍事力がないと見てよいでしょう。
(そういう国は、「情報工作」に力を入れます)
 最近は、弾道ミサイルというものがありますが、
ミサイルにおいても、部品の品質が重要です。
 同じものを100個作っても、どうしてもバラツキが出てしまいます。
国際社会に「見せる」には、その中で最高品質のものを使うでしょう。
 そういうわけで、「脅し」に使うには有効でも、「継戦能力」はありません。
軍事においては、継戦能力こそ最も重視すべきことです。
 それとも、北朝鮮も、トランプ大統領のように、
何でもいいから、常に世界の新聞の第1面に登場したいと思っているのかもしれません。

火砲 2017 10 22
 イージス艦「こんごう」の127mm速射砲は、
一般の人にわかりやすく言えば、
艦首にある大砲は、
イタリアのOTOメララ製であると、
専門誌で読んだことがあります。
 多くの人は、疑問に思ったでしょう。
「なぜ、日本製ではないのか」と。
 私が勝手に推定するに、
これを製造している日本メーカーがなかったのではないかと思います。
 そうすると、多くの人は、
「日本は工業大国だから、すぐに製造すればよいのではないか」と思うでしょう。
 しかしながら、これが敵を威嚇するための「飾り」だとか、
一発発射したら終わりというのならば、
すぐにでも作れますが、
大砲の製造は意外に手間がかかるのです。
 短期間に製造することは無理で、
長期間にわたって、手間暇かけて製造する必要があります。
つまり、鉄にも「熟成」が必要です。
 このようなことは、効率を重視する日本企業よりも、
「手間暇」と「熟成」が得意な欧州企業が適しているでしょう。
 かつて、こんなことを聞いたことがあります。
スポーツバイクの車体を支えるアルミフレームは、
アルミフレーム同士を溶接したら完成ではなく、
溶接後、すぐに使わず、半年ぐらい寝かせておく。
つまり、熟成させておく必要がある。
 この熟成期間は、半年で済むのか、
1年か、それ以上必要か。
 しかし、2年も3年も寝かせておくと、
もはや、メーカーとしては、利益がでなくなるでしょう。
 民生用としては、「ほどほど」でよいでしょうが、
軍事用では、そうはいかないでしょう。
 一発発射したら使い物にならなくなった。
連射したら砲身が使い物にならなくなったというのでは、
戦うことができません。
 軍事というと、みんな、カタログ性能や数を気にしますが、
実は、部品の「品質」が軍事では重要です。
要するに兵器の数をそろえてもダメということです。
 イージス艦の127mm速射砲は、
工業国としてのプライドよりも「実用性」を優先したということでしょうか。





































































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